持ちつ持たれつ
恋人を引っ張って、洋服を買いに行く。
これを買うと、心に決めたものがふたつあったのに、ひとつはすでに売切れてしまっていた。それは目の詰まったハイゲージのカーディガンで、仕方なく同じようなものを探して歩く。あちこち歩く。途中で恋人がうんざりしているのがひしひしと伝わってきたけれど、背に腹はかえられない。なだめたりすかしたりしながら、夕方まで探し歩いた。
ハイゲージで、袖がたっぷりしていて、丈は短めで、ベージュで、と理想を高く持ちすぎたせいか、けっきょく心に染むような品は見つからなかった。さんざんつきあわせてしまった恋人に夕食をおごって、帰路につく。
それぞれ仕事をしたのち、恋人の博士論文をめぐって、空が白みはじめるまで話し合った。おかげで方向が定まってきたと恋人が言うので、得意になる。ついでに昼間の埋め合わせまで達成したようないい気分で、眠りについた。今日で4月もおわり。
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