映画のこと

2009/01/30

仕事を発注してくれる会社より、2008年分の支払調書が届く。
ほう、去年私はこれだけ稼いだのか、と初めて知る。
比べてみると、一昨年より16万円だけ増えていた。

夜、進藤兼人原作、川嶋雄三監督の『しとやかな獣』を観る。
演出も奇抜なアーティスティックな作品だけれど、後半になると飽きがくる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/28

カラフルなれど

Nさん親子につきあってもらって、MAPの確認作業に出かける。
3時間も町をうろつき、腹時計に急かされるようにして帰る。

そのMAPのデザインをしてくださる方が、月に一度ブックカフェで開かれる集まりでお話をされるというので、夕ごはんを食べてから恋人と出かける。今夜の話題は、『POP-SICLE』という音楽雑誌のこと。恋人のツボにぴたりとはまる。

日付が変わる少し前に帰宅し、『ダージリン急行』を観る。長く仲違いをしていた3兄弟が、インド北西部を走るダージリン急行で一緒に旅をすることで、ふたたび結束を取り戻そうとする様を描いたコメディ。

モンスーン・ウェディング』もそうだったけれど、インドの風景はとにかく色が濃く、鮮やかで美しい。今回の映画もそうで、カラフルな映像には心が躍る。でも残念ながら、感情は微動だにしなかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/24

新しくも古い

春の古本市にむけて、今年最初の会議が開かれた。新メンバーも何名か加わってくれたのだけれど、1人のライターさんを除いて、みぃんな知り合い。日程、役割分担など決めたのち、近くの居酒屋で飲んで帰る。

昔録画に失敗して、途中で切れてしまった『ヒトラー最期の7日間』をBS2で放送していたので、しまいまで観る。予想以上に長く、3時過ぎにようやく布団に入る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/23

映画館でライブ

Sajilo_cafe_2 昨日作ったお散歩MAPをかばんに忍ばせて、吉祥寺へ行く。

まずサジロカフェでネパールカレーランチをいただいた。使いこまれたやさしい風合いのインテリアがかわいらしく、カレーもおいしい。つづいて、36(サブロー)をのぞき、絵本の店トムズボックスで茂田井武『パリーノコドモ』を購入。日に焼けたような色合いや、右から書かれた文字が心をくすぐる。さらに、にじ画廊、CINQ、MOMO NATURAL、NATURAL KITCHEN、私の部屋、よみた屋とまわって、おしまいにバウスシアターヘ。本日のお目当て、『THE ROLLING STONES,SHINE A LIGHT』を観る。

どうしてわざわざバウスシアターまで足を運んだかというと、特別にライブ用のPAを使っていて、ものすごく音がよいと、音楽好きの先輩から聞きつけたからだ。はたして、ライブの臨場感そのままの音で観た映画は、とんでもなくおもしろかった。さして音楽に詳しくない私が言うのだから、間違いない。

それにしても、やはりミック・ジャガーはすごい。なんというか、真摯で紳士なのだ。ライブのパフォーマンスもそうだけれど、ひとつ質問に答えるのでも、相手の言葉にじっと耳を傾け、誠意を持って答えようとする。

それに引き換え、キースの悪童ぶりと言ったら。あんまりミックに世話かけるんじゃないよ、と説いて聞かせたくなった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/22

愛についてまわるもの

明日、吉祥寺の映画館へ行くことになったので、恋人がいつも町歩きに持ち歩く地図を拡大コピーし、まわりたいお店を書きこんで、オリジナルのお散歩MAPを作成する。

寝る前に、川嶋雄三『愛のお荷物』のつづきを観る。産児制限を主張する厚生大臣の一家に、次々に赤ちゃんができてしまって……、というドタバタコメディ。なるほど、愛のお荷物とは言い得て妙。笑いながら楽しく観る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/17

現実から幻影へ

MAP制作の仕事で、今日も町をめぐる。すべての作業のなかで、おそらく今日の仕事がいちばんの正念場、というより心にこたえる仕事。あちこちで、お金の話などする。

夜、『幻影師 アイゼンハイム』を観る。はらはらドキドキ、とてもおもしろいエンターテインメント作品。 タネも仕掛けもあるのが、この世の常。そうとわかっていても、騙されつづけていたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/13

ナチュラル推奨

馴染みの美容師さんに誘われて、カットモデルなるものを体験する。カラーリングとカットののち、フルメイクまで施されて、何枚か写真に収まり、お役御免。見慣れない顔のまま、仕事帰りの恋人と落ち合った。

「わ、なんかすごいね」

それが私の顔を見た恋人の第一声で、褒め言葉なのかどうかは、訊かなくてもわかった。慣れないことはするものではない。そんな私の写真は、しばらく美容室のHPに載るらしい。

夜、2日前に引きつづき、黒澤明監督の『わが青春に悔なし』を観る。原節子、大いに化ける。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/11

からきし駄目

よく晴れたので、恋人と散歩に出かける。あちこち歩いた帰りに、まちかどへーベルハウスを見学。これがとてもすてきで、すっかり心を奪われてしまう。でも、いったいいくら稼げるようになったらこういう家を建てられるのだか、まるで見当がつかない。生活設計能力に難のあるふたりである。

就寝前に、黒澤明監督の『一番美しく』鑑賞。戦時中の、誰も悪人が出てこないお話。うまく戦争礼賛を避けている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/02

箱根の風

眠い目をこすりながら8時に起きて、箱根駅伝を観る。三浦しをん『風が強く吹いている』を読んだあとなので、ひとりひとりの選手に、つい感情移入してしまう。

ダニエルの20人抜き、モグスの区間新、新たな山の神柏原!もう涙が出てしまう。

午後、恋人と街へ出かけ、買物に興じる。私はワンピースを2着、恋人はCD3枚を買って、ご満悦。途中で食べたパスタもおいしかった。

そして今夜の映画は、マイケル・ムーアの『シッコ』。前2作に比べると、単調で冗長。箱根駅伝のおかげで寝不足気味の私は、どうにも耐え切れなくなって、途中でダウンしてしまった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/01

一富士

Img_6444_2 富士山がくっきり見える縁起のよい元旦。

家族みんなでお雑煮をいただき、恋人と谷中へ。よみせ通りからめぐりんに乗って、浅草まで物見遊山に出かける。初詣だろうか、浅草はどこもかしこも大勢のひとでにぎわい、露店もずらり立ち並んでいる。浅草寺に詣でるには、1時間も並ぶというからすごい。露店を冷やかしながら、ぶらり上野まで歩き、そこから電車に乗って帰る。

夜、『クラッシュ』を観る。よく練られた群像劇、という程度の知識しか持たずに観たので、そのメッセージ性の強さに驚く。こんなにも社会派の映画だったとは。年明け早々に観るにはあまりにも重いけれど、深く考えさせられる映画ではあった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/12/22

長い長い冬休み

原稿を書きあげてHくんに送りつけると、すぐに一部修正の依頼がきたので、その場で手を加えて再校を送りなおし、今度はOKの返事を受け取って、一足早い仕事納め。浮かれた気分でおやつを食べ、スタンリー・キューブリックの『バリーリンドン』を半分まで観る。それでも残り90分。長い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/12/14

鳥は歌えど

雨のち晴れ。雨のやんだ途端にぐっと寒くなり、暖房器具を引き寄せて本を読む。

夜、クリント・イーストウッド監督の『BIRD』を観る。天才サックス奏者、チャーリー・パーカーの半生を描いた作品。定点観測でもしているかのように淡々と物語が進んでゆくので、こちらもしまいまで感情を揺すぶられることなく、淡々と観てしまう。冗長さばかりが目立ち、せっかくの音楽が心の深いところにまで響いてこなかったのが、とても残念である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/26

めがね女子もどき

眼鏡を新調する。出かけるときはコンタクトなので、眼鏡は家でしかかけないのだけれど、似合う似合うと同行者におだてられて、デザイン性の高いものを選んでしまう。

夜、千駄木のブックカフェにて、月に一度の古本市の集まり。先月は私がしゃべったので、今回は私からお願いして無声映画伴奏者の方にお話ししてもらう。フィルムの保存活動にも関わっていらっしゃる方で、興味深いお話をたくさんしてくださった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/25

力強い足音

三浦しをん著『風が強く吹いている』を読む。 箱根駅伝出場という無謀な目標を掲げ、ついにはそれを達成してしまう10人の青年たちが駆け抜けた、いくつかの季節についての物語。

たすきを待つひとりひとりの緊張感、高揚がありありと、それこそ今まさに自分が中継地点のライン上に立っているかのようなリアルさで迫ってくる。大地を蹴って駆けてくる仲間の力強い足音を、私はたしかに聞いたのだった。山口晃の手になる表紙もすばらしい。

それから、『やわらかい手』という映画を観る。くすり、と頬をゆるめてしまう場面がちりばめられていたけれど、時が経てば記憶に埋もれてしまうかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/16

速いおじさま

曇り空はつづき、腰痛もつづく。仕事を抱えていなくてよかったと、胸をなでおろす。図書館へ行ったほかは、じっと家で過ごす。

寝る前に、『世界最速のインディアン』を観る。還暦を迎えてなお、世界最速のライダーを目指して奮闘する老人の姿を描いた、実話に基づく物語。と聞けば、スピードを追求してストイックにマシンを駆るアクション系映画なのかと思うけれど、これが意外にもほのぼのロードムービー。描かれるのは、マシンやレースそのものよりも、旅先での出会いであり、ひとりの男の人生なのだった。その意味では、スピード感の増した『ストレイト・ストーリー』と思ってみるのが近いかもしれない。

持病がどうとか、マシンがどうとか、さんざんはらはらさせておきながら、何事もなくあっさりハッピーエンド、という展開は、ドラマ「ラスト・フレンズ」とも通じるズルさがあるような、ないような。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/14

勘違いには違いない

Kyukaru 7時起床。ものすごい腹痛に襲われ、恋人が大浴場へ行っている間、ひとりでじっと耐える。恋人が戻ってから、昨日スーパーで買っておいたおにぎりと味噌汁で朝食をすませ、のろのろと着替える。そうするうち、痛みが少しずつ和らいできたので、さっと出かける。

むかったのは、軽井沢プリンスショッピングプラザ。アウトレットのくせに駐車場代をとるなんて、と憤慨しつつ中へ入ってみると、なにやらたくさんひとがいる。それも、こんな場所にそぐわぬスーツ姿で。さらにはテープカットをしたような形跡まである。くしくも今私たちの歩いているニューイーストガーデンモールなるエリアが、本日オープンだったのだと、そのときに知った。

そして、もうひとつわかったことがあった。それはここが、いわゆる「アウトレット」ではないということ。一部店舗をのぞき、商品は正規の値段で販売されているのである。言われてみれば、たしかに「ショッピングプラザ」と名乗っているのであって、勘違いしたこちらが悪い。悪いのだけれど、なんだか腑に落ちない。

Prince_shopping_plaza とはいえ、広々とした園内はよく手入れがされていて、とても気持ちがいい。かつてはゴルフ場だったのだろうか、刈りこまれた芝生が広がり、大きな池まである。駐車場代300円を支払って庭園を散歩させてもらったと考えて、ようやく納得がいった。

それから観光のメッカ、旧軽井沢銀座を散策し、腸詰屋で昼ごはんを食べて、帰京する。コートがいらないほど暖かい一日で、帰ってからさらに散歩に出かけてしまった。

夜、川島雄三の『洲崎パラダイス 赤信号』を観る。これがべらぼうにおもしろい。救いようのないダメ男と、その男から離れようと試みつつも、結局舞い戻ってきてしまうダメ女の話なのだけれど、同じくダメダメカップルを描いて高い評価を得ている『浮雲』よりも、ずっとおもしろかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/09

映写技師きどり

Fps 千駄木にある映画保存協会の蔵で、映写機講習会を受ける。蔵の寒さは身に沁みているので、うんと厚着をしていく。

ほかの受講生らと一緒に、午前中は講義を受け、午後は2種類の映写機を使った実習を行う。もっと簡単に考えていたのだけれど、映写機の構造やフィルムをかける手順など、覚えることがたくさんあって大変である。それでも繰り返し練習をさせてもらったおかげで、最後には誰の手も借りずにフィルムをかけられるようになった。

映画保存協会の印が押された修了証明書をいただいて、家路につく。これで図書館でも映写機を貸してもらえるのだという。早いところ実践してみないと、せっかく習ったことを忘れてしまいそうである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/08

かしぐ

小雨の降るなか、母とふたりで父方の祖母が暮らす特養老人ホームを訪れる。家族懇親会に参加するのである。

右にかしいだ姿勢でじっとしている祖母を挟むように座り、園長自ら腕をふるった焼きそばや、ホームの方々が漬けた梅干、豚汁などをいただく。祖母は目をつむったまま、まったく同じメニューを流動食にしたものを、母のスプーンから食べる。焼きそばや豚汁はもちろん、果物まで一種類ずつ小さなカップに分けてくれるので、祖母のトレイは色鮮やかだ。

夜、ウディ・アレンの『インテリア』を観る。監督本人も登場しないし、ユーモアもほとんど排した異色の映画。緊張に満たされた空気のなかで、ぎりぎりまで張りつめられた糸がとうとう切れてしまうまでを、色を抑えた静かな映像で綴る。なんとも息のつまる映画であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/10/19

まさに偶然

昼よりD坂シネマ。無声の白黒映画『Beautiful Japan』と『A Trip Through China』を2本つづけて観る。どちらも120分を超える長いフィルムで、解説がなければ早々に寝入っていたかもしれない。けれど大正時代の日本を垣間見る(それも外国人の視点で)のは、なかなかおもしろく、得がたい経験をさせてもらった。

それから古本市でお世話になった方へご挨拶に行くと、過去に一度仕事を任せてもらったことのあるディレクターさんに、ばったり遭遇。まさかこんな場所で会うとは思いもよらず、一瞬ふたりそろって、ぽかんと呆けた顔で見つめあってしまった。悪いことはできないものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/10/18

あのひとがこのひと

重い腰をあげて、古本市で使った備品を整理し、売上の集計をする。これが予想以上に大変で、結局、部屋が薄闇に満たされるまでかかってしまう。

『夜になるまえに』を観る。主演はハビエル・バルデム。私と恋人が初めてふたりきりで観た映画『海を飛ぶ夢』でも、主演を務めていたひとである。

映像も美しいし、カットも凝っているのだけれど、どうしてか深くは入りこめず、最後まで焦点を結ばないままにおわってしまう。でもバルデムの演技はすばらしかった。あの映画と同一人物とは到底思えない。次は『ノーカントリー』を観よう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/10/08

牛歩

数日後に迫った古本市の準備を、じりじりと進める。やってもやっても終わりが見えない。ひとつ用事を済ませるついでに、夜の散歩をする。外はもうすっかり秋の気配。

それから阪神対巨人戦を観、録画しておいた木下恵介のドキュメンタリーを観、布団に入る。恥ずかしながら、木下恵介があんなにも社会派だったとは知らなかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/09/30

昼の男

新宿にて取材。不注意で、ICレコーダーの電池が途中で切れてしまう。めったに録音したものを聴き返さないとはいえ、こんなことではいけないと反省しながら、熱心にメモをとる。

偶然にも、取材先が父の会社の目の前だったので、おわってから父を呼び出して、お茶を飲む。つい数時間前に顔をあわせたばかりなのに、父はもうしっかり昼の男の顔をしていた。

寝る前に『サウスバウンド』を観る。奥田英朗の同名小説が原作である。残念だったのは、原作の歯切れの良さが失われていたことと、視点が一定していなかったこと。それでもトヨエツ演じるお父さん(元過激派)が、びしっと要所を締め、ともすればつまずいてしまいそうな物語を引っ張る。西表島の巡査を演じる松山ケンイチも、ほのぼのした風味で、人情を感じさせるのに一役買っていた。

最近、原作を読んでから映画を観ることが多いのだけれど、どうもそれでは純粋に映画を楽しめないような気がする。はなから別物だと思って観ればよいのかもしれないけれど、どうしても原作の印象を引きずってしまうのである。今後は順序を替えて、映画を観てから原作を読もうと心に決める。

今日で9月もおわり。あっという間。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/09/23

一方通行

気持ちよく晴れたので、仕事の合間に恋人のSRで、ちょっとそこまで。恋人はレコード屋、私は本屋をのぞく。大型書店へ行くと、そのあまりの本の多さに、頭がくらくらしてきてしまう。それから決まって、少し落ちこむ。理由は色々あるけれど。

夜、ずいぶん前に録画しておいた『バベル』を観る。切り貼りされた4つの物語が、重なったり離れたりしながら展開し、2時間を超える長い映画ながら、しまいまで緊張感を保ちつづける手腕には、舌を巻いた。

けれどとても残念なことに、私には伝わらなかった。「意味」ならわかる。それぞれの登場人物が抱える、もどかしさや寂しさ、孤独感、それゆえ自暴自棄な行動に走ってしまう心理も、痛いほど理解できる。でも、世界に満ちるそれらすべての悲しみをひっくるめて、さてなにが言いたいのかということが、私には伝わらなかった。あるいはそのディスコミュニケーションまでもが、「バベル」の「バベル」たる所以なのかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/09/20

ふるさとは東京

Img_48422 兄嫁Nさん、甥っ子と、谷根千散策へ。

お気に入りのカフェへ行き、甥っ子がぐずりだしたところであわてて外へ出ると、根津神社大祭にわく根津の町まで足を延ばす。ちょうど太鼓や子ども神輿に行きあって、愉快な気持ちになった。

たくさんの屋台でにぎにぎしい根津神社の境内をそぞろ歩き、ギャラリーをのぞいたり、ついでにチラシを配ったりしながら散策をしていると、路地のむこうに不思議な物体が見えた。一見すると、米俵が宙に浮いているようにも見える。ところがその米俵には、赤い丸がふたつ描かれているのである。なにかと思ってよくよく目をこらせば、それはなんとアンパンマンの着ぐるみなのだった。これで町は平和である。

夕刻、今度は恋人と一緒に、毎月恒例の「ちいさな上映会」を観に行く。一番はじめの演目「日本の国土」が気になっていたのだけれど、それには間に合わず、二番目の「山おくの暮らし」(1964年)から観る。

くしくも恋人の故郷、福島のとある村が舞台。「おれが子どもだったころのばあちゃん家だって、これと大差なかったなぁ」と、恋人は懐かしそうに目を細める。東京生まれの東京育ちで、三世代の拡大家族で暮らしてきた私には、故郷と呼べる場所がなく、そんな恋人が少しうらやましくなったのだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/09/18

寡黙ゆえに雄弁

日がな一日、パソコンにむかって仕事をする。お題は、機械音痴な私がもっとも苦手とする、システムエンジニア。まるで耳に馴染みのない言葉を打ちこむ指先の、うそ寒いこと。それでもがんばった甲斐あって、明日の夕方までという約束だったものを、早々と書きあげる。

すっかりいい心もちになって、ジャ・ジャンクー監督の『長江哀歌 (ちょうこうエレジー)』を観る。すると、たちまち目が覚めた。ものすごい喚起力を持った映像である。

物語それ自体は、決して雄弁ではない。素性も明らかにされない旅人がふたり、それぞれ尋ね人を探してぽつんと奉節の町を訪れ、そこでいくばくかの時間を過ごして、やがて去っていく。ただそれだけのことである。

けれどその間に、カメラは旅人の視点から、押し寄せる近代化の波に激しく翻弄される町と、そこに生きるひとびとの姿を映し出す。こみあげてくる感情を押し殺すかのように、淡々と。旅人は、巨大な瓦礫の山と化した奉節の町に飲みこまれ、そしてその町をひたひたと確実に侵食していく三峡ダムに飲みこまれ、静かに町を去る。

あぁ、私は今たしかに「なにか」を目撃した。そう思うのだけれど、いったいなにを目撃したのか、その正体がつかめない。とにかく、なにか、途方もなくすごいものを目撃したのだという気分だけが、強く残ったのだった。

前に映画館で『世界』を観たときも、映画をしっかり1本観た、という満ち足りた気分になったことを思い出す。こんなにも寡黙で、そのくせこんなにもはっきりと見せたいものを見せつけることのできるジャ・ジャンクー監督は、ほんとうに聡明なひとである。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/09/06

ほっこり、でもぴりり辛口

明日中に古本市のチラシの中身を完成させなくてはいけないので、イベントの最終調整などに追われる。ふとした思いつきで、ずっと抱えていた懸案事項に片がつき、ほっとする。

寝る前に、『サン・ジャックへの道』を観る。美しいフランス田舎町の風景にうっとりしながら、ときどきはさまれる風刺にくすり。そしてお約束ながら、最後はほろり。旅情をかきたてられる映画であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/09/02

あっぷあっぷ

起きてすぐパソコンにむかい、仕事。今回いただいた仕事は、通常の倍のボリュームがあるものなので、なかなか手ごわい。(その分、原稿料も倍ではあるけれど)

古本市のチラシ・ポスター制作を手伝ってくださるデザイナーさんと打ち合わせをするため、夕刻、六本木ヒルズへむかう。まっすぐヒルズに行くだけではつまらないので、溜池山王で地下鉄を降りて、歩く。

タモリ倶楽部よろしく、坂めぐりをしよう、と恋人と申し合わせていたのだけれど、おもしろそうなものを発見するとすぐ道をそれてしまい、途中から申し合わせ事項のことはすっかり忘れてしまった。でも楽しかったので、よしとする。

ヒルズの手前で、どこかで見たことのある顔にぶつかる。ちらと目の合ったその顔は、とある映画に主演していた、あの役者さんのものである。冴えない役どころの多いひとだけれど、画面で観るよりずっと精悍で、すっきり引き締まったからだをしていた。

それからヒルズ内の居酒屋で、1年ぶりに会うデザイナーさんと打ち合わせをする。前回とはまた違う印象のものができあがりそうで、私たちも楽しみになる。

Img_4368けれどよくよく考えれば、チラシ制作に入るということは、その前にイベントの詳細をすべて決定しなければならず、中途になっているあれやこれやに、きっちり片をつけなければならないということでもある。飲んだはしからすぐ醒める。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/08/30

藪の中、あるいは羅生門

知らぬ間にまた行き違いの生じていたことが発覚する。昨日の浮かれた気分が一転、ぐったりくたびれた気持ちになったけれど、これも人生勉強と前向きに考える。

夜、空が壊れてしまったみたいに雨が降る。ここのところ、毎日こうである。雨の音を聞きながら、録画しておいた『舞妓Haaaan!!!』 を観る。さすがにテンポよし。あれだけのセリフを噛まずに、大真面目に演じきる阿部サダヲは、立派な役者はんどす。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/08/25

憐憫を誘う映画

延々電車に揺られて、横浜は中華街にて取材。せっかくなので、Hくんと少し早めに待ち合わせをして、一緒にお昼ごはんを食べた。

夜、ずっと前に録画しておいた『ゲド戦記』を観て、びっくりする。なんてつまらないのだろう。画はのっぺりとしていて殺風景だし、モーションも平凡の極みだし、キャラクター作りにも成功していないし、歌もセリフも音楽も、冗長さや大仰さばかりが目立って、物語の進行になにひとつ影響を与えていない。というより、はたしてそこに語るべき物語などあったのだろうか。残念ながら、なにひとつ伝わってこない。しまいまで観ても、映画を一本観たという気分にならないのである。

これでは原作者があまりにもかわいそうなので、一緒に観ていた恋人と、良かった点を挙げてみることにした。無理やりひねり出した答えは、馬がかわいかったこと。でもそれだって、ヤックルにはかなわないよね、という一言で、話は振り出しに戻ったのだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/07/22

ウメコの会で冷や汗

昔のバイト仲間ふたりと、韓国料理を食べに行く。彼女たちとの会合は、このたびより『ウメコの会』と呼ばれるようになったので、この日記でも今後はそう表記する。

前回の『ウメコの会』より、ひと月と少し。状況はやや変わり、迷走をつづけていたⅠ嬢が、とうとう恋を手放したらしい。ストレスからか、痩せたり太ったりを繰り返していると嘆く彼女は、この夏、ひとりで富士山に登るという。それでなにかが吹っ切れることを祈る。

ところで、今回一番の衝撃は、夏の限定メニューという言葉に惹かれて頼んだ「激辛ユッケジャン麺」。激辛とはいっても、たかが知れているだろうと、安易な気持ちで注文した私たちが甘かった。

ほんとうに辛いものを食べると、寒気がするのだということを、私たちは身をもって学んだ。口のなかや食道は火を噴きそうなほど熱いのに、どうしてだか寒くて、鳥肌が立つのだ。そのうち心臓までばくばくしてきて、ちっともアルコールがすすまなくなってしまった。本場の「激辛」をなめてかかってはいけない。

帰ってから、夏旅の予習として、大林宣彦監督の『ふたり』を観る。新尾道三部作と評されるもののひとつなのである。主演の石田ひかりが、あんまりにもゆっくりふわふわ話すので、つられて眠くなり、途中でダウン。それでも尾道の美しさは満喫できた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/07/21

またひとつ、消える

2007_06240058_2 恋人の部屋に泊まって勝手が違ったのか、ついうっかり二度寝をしてしまい、起きたらもう正午。あわてて朝食とも昼食ともつかぬごはんを食べ、谷中へ。先日入籍した知人のために、ふたりのお気に入りの店で心ばかりの贈り物を買ってプレゼントする。どうぞ末永くお幸せに。

それから古本市の用事を済ませ、隣の原っぱでしょうがの辛味がきいた手づくりジンジャーエールをいただいて、知人の子どもと遊ぶ。遊ぶといっても、私は、人間ジャングルジムと化した恋人が、きゃあきゃあ叫びながら果敢に挑んでくるちびっこの相手をして汗だくになっているのを、笑って見ていただけなのだけれど。

近所のインドカレー屋で夕ごはんを食べたあと、腹ごなしに散歩をする。なにか予感があって、「しばらく休みます」とだけ貼り紙をしてずっと閉めたきりになっている銭湯を観に行き、思わず「あっ」と叫んでしまった。

そこにはただ、だだっ広い更地が広がっていたのである。破風屋根の立派な建物も、まっすぐ空に伸びる煙突も、神隠しにでもあったかのようにかき消えている。あ、あ、あ、と言葉にならない私の声ばかりが、夏の夜気にむなしく呑みこまれていく。

虫の知らせとはこういうことかと、ひどく残念な気持ちで思う。平成の世には珍しく、いまだに薪で風呂を炊く銭湯であった。

景気づけに、タランティーノの『デス・プルーフ』を観る。ぐずぐず、はらはら、のち、大笑いという映画。まるで展開が読めない。まさかの結末には、文字どおり腹を抱えて笑ってしまった。これからしばらく、私と恋人の間で、「イエー!」という雄叫びが流行りそうである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/07/19

消えゆくもの

Img_2196 文京区小石川の、再開発予定地区を歩く。

今言われる「再開発」というのは、古い建物を軒並み壊して、高層ビルやマンション、駐車場を建設することとほとんど同義である。そうして街はどんどん画一的になり、路地からひとの生活の気配が消えていく。ほんとうにつまらない。そんな詮ないことを考えながら、とぼとぼ歩く。

こんにゃくえんまでは、ほおずき市。長屋カフェには、浴衣のカップル。夏である。

夕刻、千駄木の蔵で開かれた「ちいさな上映会」に行く。『メモのある生活』『おせっかい』では、つっかけサンダルに買い物かご、スカートに前掛け、という正真正銘の専業主婦をたっぷり堪能する。それにしても、こういう映画は、いったいどういう場面で誰にむけて上映することを想定しているのか、まったくもって謎である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/07/14

ため息を誘う喜劇

兄嫁Nさんの誕生日。谷中はへび道のMais D.cuirで買った、錨(いかり)型のネックレスを贈る。そのプレゼントは、なにより甥っ子の気に入ったようで、兄嫁の腕に抱かれながら錨を引っぱり、あわよくば口に入れてしゃぶらんとするから、油断も隙もない。

午後、一緒にセールへ行く。先日ひとりで挑んだときに、Tシャツ2枚しか買えなかった反動か、今日は次から次に欲しいものが現れて悩ましい。結局、パンツ2本とワンピース1枚を買ってしまった。これから夏旅も控えているというのに。あぁ、がんばって働かねば。

寝る前に『クワイエットルームにようこそ』を観る。原作は、芥川賞候補にもなった松尾スズキの同名小説で、 映画の監督・脚本も松尾氏が手がけている。

内田有紀が演じる主人公は、28歳のフリーライター。まさに私と同年齢、同職業である。けれどそういうことは、この際どうだっていい。安易な共感を拒むくらい勢いのある映画で、一旦観はじめると、ジェットコースターに乗ってしまったのと同じで、もう最後まで降りられない。

喧騒と混乱と狂気のなかで次々に切り替わったかと思うと、次の瞬間には静寂のなかでひたと一点を見つめるカメラワークに、脱帽。強弱のつけ方が抜群に上手だ。最後までドタバタの続く『恋の門』が疲労感を誘ったのに対し、こちらはエンドロールを観ながらしっとりしたため息のこぼれる映画だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/07/07

長い散歩

七夕。曇り空の下、どこへ行くというあてもなく、散歩に出る。坂を下って、また登り、路地を進めば袋小路。回れ右して角を曲がり、歩く歩く、どんどん歩く。気づけば長い散歩になっていた。

恋人の部屋に行って、ベッドを占領し、ラッタウット・ラープチャルーンサップの『観光』を読みふける。すると私はたちまちタイの喧騒に飲みこまれ、見知らぬ人たちに交じって、踏みしだかれた食べ物や油で奇妙な光り方をするアスファルトの上を歩いていた。からだに粘りつく、そのじっとりした熱気に呼吸が苦しくなって、思わず本から顔をあげると、そこはクーラーの効いた部屋で、恋人が涼しい顔で仕事をしていた。

寝る前に『めがね』を観る。こちらは春の与論島が舞台。さらさら乾いた白い砂と、簡素で清潔な什器、背景も肩書きもまっさらな大人たちが出てくる映画である。そこに描かれているのは、ゆっくりと、けれど確実に流れてとどまることを知らない、時間。青空の下にはためく、洗いざらしの白いシーツのような気持ちになって、眠りにつく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/05/28

かの国に幸あれ

昨日借りた『アヒルと鴨のコインロッカー 』を観る。主演の濱田岳がなんだか気になるというただそれだけで、ほとんどなんの予備知識もないまま観始めた。

物語は過去と現在を行きつ戻りつしながら、笑いの散りばめられた明るい空気のなか、ゆるゆると進む。原作が伊坂幸太郎なので、このまま終わるはずはないだろうと思いつつ、その空気につい油断していたら、やはりきた。カチリと世界のひっくり返る瞬間が。

エンドロールとともに、ボブ・ディランの「風に吹かれて」が流れ始めたとき、私の心は切なさではち切れんばかりだった。そうして強く願った。ブータンに幸あれ、と。

次は『ザ・カップ』で、幸福なブータン人の姿でも観るとしよう。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008/05/17

町から町へ

Img_0910 7時半起床。清々しい目覚め。筋肉痛を心配したけれど、ゆっくり歩いたのがよかったのか、どこも痛くない。

さっそく朝風呂へ行く。りんごの浮いた内風呂も、緑に囲まれた露天風呂も、ひとりじめ。なんともぜいたくな時間であった。

ふだん夜が遅いので、こうして温泉宿へ泊まると、きまって翌朝が辛いものだけれど、今回は心地よい疲れに身を委ねてたっぷり眠ったうえ、朝風呂にまで入ったので、からだの隅々までしゃっきり覚醒している。おかげで朝食もどんどん食べられる。おかずを残さなかったのはもちろん、麦とろごはんもおかわりしてしまった。

宿を出たあと、前日通りがかったときに目に留まった「懐古園」へ行ってみる。どうやらここは、小諸城の城址を公園にしたものであるらしい。隣接する動物園や島崎藤村記念館、郷土博物館などをあわせて楽しめる共通券を買い、大型バスで乗りつけた観光客らにまじって、若葉のなかをゆらりと歩いてみる。

昼食をとるためだろう、やがて正午が近づくとみんなどこかへ消えてしまい、代わりに遠足に来た園児たちが、「そうだったらいいのにな」体操を始めた。つづく「ひげじいさん」の歌を聞きながら、今度は動物園へ行ってみる。

ぐるぐる走りまわるフェレット、鮮やかな羽を広げたクジャクなどを眺めていると、どこからか遠雷のような、地鳴りのような、低い音が響いてくる。それが百獣の王、ライオンから発せられたものだとわかったとき、私も恋人も心底恐怖した。こんなにもライオンを怖いと思ったことはないかもしれない。それを知ってか知らずか、ライオンは低く喉を鳴らし、「危険動物」と書かれた檻のなかから、じいっとこちらを睨めつける。

怖い。怖いのだけれど、目をそらせない。あちらがぷいっと視線をそらしてようやく、凍ったようになった足が動いた。すぐ近くの檻では、クマがだらしない格好で、ぐうぐう天下泰平のいびきをかいて寝ていた。

Img_0926 Img_0943 Img_0944

Img_0958 それから、小諸の町を散策した。城下町である小諸は、北国街道の宿場町として栄えたらしく、今でもそこかしこに過ぎし日の面影を伝える建物が残されている。小江戸・川越に似た雰囲気を持った町だけれど、まだ観光地化されておらず、すれ違う人もほとんどいない。資料を求めて入った「ほんまち町屋館」でも、「こんな若いひと初めて来た」と歓迎される。最後にせいろそばを1枚ずつ食べて、帰路についた。

夕刻、無事に到着。休む間もなく自転車をこいで、映画保存協会の蔵で開かれている、「ちいさな上映会」へ行く。「郷土を調べよう」(1961年)や「はなれ島のくらし」(1971年)など、4本のフィルムを観る。最後に観た「職場の若者」(1964年)だけが劇映画で、青くさい若者たちが吐く、青くさい台詞に、いちいち腹のあたりがくすぐったくなった。

そんなこんなで、誕生日から3日間、好きなことばかりして過ごした。またしっかり働いて、旅の資金を稼がねば。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/04/29

昼の画、夜の音

1947年に撮られた『20年後の東京』という映画が観たくて、恋人とふたり、映画保存協会の蔵で開かれたD坂シネマ・アンコール上映会に行く。

主催者の説明によると、傷の入った16ミリフィルムは、その価値が理解されずに捨て置かれていたのを、誰かが拾いだしてきたものであるらしかった。そのおかげで、こうして運よく日の目を見ることができたわけだけれど、おそらくこれと同じような価値を持つフィルムのほとんどは、すでに消失してしまっているのだろう。空襲で一面の焼け野原となった跡に、バラック小屋が立ち並ぶ東京の光景を眺めながら、それをつくづく口惜しく思った。

『20年後の東京』があまりにもおもしろかったので、『東京タワーはわが息子―内藤多仲博士を囲む』『ムカシが来た―横浜市長屋門公園古民家復元の記録』と、さらに2本続けて観た。私たちの隣では、若い大工さんが食い入るように画面を見つめ、なにごとか熱心に書きつけていた。

夕食をとったのち、今度は馴染みの古書店で開かれた加藤千晶さんのライブへ行く。「ピタゴラスイッチ」と歌っている、あの声の人である。カーテンのむこうからひょっこり現れた姿を見て、私はいっぺんで加藤さんが大好きになった。佇まい、手や足の運び、表情、声、そのすべてに人柄がにじみでていて、次々とシャボン玉が弾けていくような明るい歌に、ぴったり似合っていた。

本棚の隙間からのぞき見る楽しいライブが終わって、楽器を片づけたあとのスペースで、打ち上げが開かれた。いつものように、私たちも図々しくお邪魔させてもらう。なんだか最近、仕事そっちのけで飲んでばかりだ。たまにはそんなときがあってもいいか。

2008_04300015_2

2008_04300003_3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/04/13

大人のお遊び

図鑑に載ってない虫 完全攻略版(2枚組) 昨日まわりきれなかったところをまわろうと、再び谷根千へむかうも、春とは思えぬ寒さに出鼻をくじかれる。しまいには雨まで降ってきたので、尻尾を巻いて逃げ帰る。

日付が変わってから、『図鑑に載ってない虫』を観る。三木聡と松尾スズキのコンビだったので、すわ『インザプール』の再来かと期待したのだけれど、ちょいと遊びが過ぎる映画だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/04/05

銭湯で古本浴

2008_04070230_4 恋人とふたりで、「月の湯」という銭湯で開かれた古本市に行く。新聞やラジオで紹介されたからか、すれ違うのもやっというほどのたいへんな賑わいで、さらに週刊誌の取材まで来ていた。実行委員に知り合いがいる私たちも嬉しくなって、なんだか気分が大きくなり、つい散財してしまった。

帰りは雑司ヶ谷を抜けて、鬼子母神に寄り、池袋まで出る。恋人につきあってジュンク堂へ行き、本ばかりぎゅうぎゅう詰まった袋を抱えて街を歩きま2008_04070196わり、ふたりでお酒を飲んだ。

寝る前に、伊丹十三監督の『スーパーの女』を観る。子どものころ家族で観た『お葬式』や『タンポポ』を、その時分の空気と一緒に、懐かしく思い出す。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/27

座り読み推奨

2008_01270061浅草から上野まで、恋人と散歩する。晴れの日曜とあって、すごい人出だ。

浅草寺や花やしき界隈をしばらくうろうろ歩いたのち、テプコ浅草館で「下町と銭湯の物語」展を見学。昔懐かしいほうろう看板や薬箱、台東区の銭湯写真などが並び、にぎにぎしい。目玉は、江戸期の「湯屋」ならびに昭和の銭湯「明神湯」を模したジオラマ。普段なら決してのぞくことのできない男湯を観察してみると、背中に立派な刺青を背負った殿方が湯浴みしていたりして、楽しい。 2008_01280051_2

2階は活動写真(映画)館や派出所などが並ぶ、古い町並みに似せたつくりになっており、ちょっとしたテーマパークの様相を呈している。一番奥まったところに、「浅草文庫」と名づけられた資料室があったので入ってみた。親切にも閲覧用のテーブルと椅子まで用意されている。

さてどれを見ようかと、本棚から数冊抜き取って立ったままぱらぱら眺めていると、「どうぞ座って読んでください」とうしろから声がかかる。振り向くと、番をする初老の男性が目に入った。「ええ、ええ、座って読むための本を選んでるんです、ご親切にどうも」という思いをこめて会釈し、ふたたび本の選別に戻る。

すると今度は、「どうして最近のひとは座って読まないのかねえ」と、やや苛立った声が聞こえた。ひとりごとのようであるけれど、明らかにこちらまで届く声量でごちている。勧めても勧めても、なかなか腰を落ち着けて読もうというひとが現れないのだろうか。なにも悪いことはしていないのに、なんだか申し訳ない気持ちになって、そそくさと部屋をあとにしたのだった。

帰って小説の執筆に励んだのち、『仁義なき戦い 広島死闘編』を観て寝る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/25

感動の再会

広尾にて取材。ディレクターHくんが地図を見誤ったため、遅刻しそうになり、最後は走らされる。その業界では名の知れた社長のインタビューと聞いていたので、緊張して門をくぐったのだけれど、いらしたのは副社長だった。Hくん、またも間違える。

帰ってから、ペチを迎えに行く。3日前に手術したばかりだということが信じられないほど元気である。傷口を保護するため、タートルネックのようなガーゼ服を着せられていて、なんだか可笑しい。

しっかり抱いて帰り、いよいよモモとの再会。なにも知らないモモの待つ部屋へ、ペチを放つ。モモは驚いたようにペチに駆け寄り、短いしっぽを振りながらくんくん匂いをかぎまわる。そして数日振りの我が家にはしゃぐペチのあとにくっつき、離れようとしない。モモの不調は、やはりペチの不在が原因だったのかと、家族みんなで微笑ましくその様子を見守った。

夜、本谷有希子『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』を読む。一部では絶賛されていた本書、たしかに比喩は上手だと思うけれど、手足がばらばらに動いているようなまとまりのなさを覚え、最後まで入りこめずに終わった。性格が悪い、というのと、頭が悪い、というのは違うはずだ。

口直しに『イカとクジラ』を観て眠る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/13

後ろ跳び

図書館に行ったら、偶然知人親子に会い、新年のあいさつをする。どうやら図書館の隣にある公園で、子どもに後ろ跳びの練習をさせていたらしい。どれ、やってみせてよ、と言うと、いがぐり坊主はにかっと笑って、得意気に後ろ跳びを披露してくれた。何度も何度も。

もう縄が短くなってきちゃったんだよな、新しいの買おうな、とパパが言って、私は子どもの成長の早さを思った。

夜は恋人と、『台所太平記』という映画を観る。中尾ミエがずいぶん若い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/07

『ヴェラ・ドレイク』

ヴェラ・ドレイク(DVD) ◆22%OFF! 恋人の仕事を手伝ってから、『ヴェラ・ドレイク』を観る。人工妊娠中絶が法律で禁じられていた1950年代のイギリスで、望まない妊娠をしてしまった女性たちのために、堕胎の手助けをしていた、ある主婦の物語である。

といっても、おそらくこの映画の見所は、物語ではなく、ヴェラその人にある。より正確に言えば、ヴェラを演じたイメルダ・スタウントンの圧倒的な演技力に。

白眉は、がらりとトーンの変わる終盤。私は画面のこちら側で、ヴェラと一緒になって恐れ、震え、涙をこぼすことを自分に禁じえなかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/02

煙突を探して

2008_01060062 銭湯ツアーの下見も兼ねて、千石の「おとめ湯」を探しに行く。住所を誤って記憶していたため、しばらく迷ったものの、恋人が住宅街に突き出た煙突を見つけてくれたおかげで、なんとかたどりついた。とっくり外観だけ眺めて満足する。

そのまま巣鴨の地蔵通りまで足を延ばしてみると、高岩寺に詣でるお年寄りで大賑わい。前から気になっていた「珈琲伯爵」に入って、伯爵ブレンドを飲み、また延々歩いて帰った。

夜はアキ・カウリスマキ監督の『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』を観る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/01

歩きぞめ

Photo_3 家族でお節とお雑煮をいただいたあと、恋人と谷中七福神めぐりをした。

田端の東覚寺から上野の弁天堂まで、約2時間かけてのんびりぽくぽく歩く。7つすべての御朱印を集めるのに2400円もかかることに驚いたけれど、なかなか楽しい歩きぞめだった。

入浴後、鳥肌実主演『タナカヒロシのすべて』を観て、床につく。

今年もこうしてよく笑い、よく歩き、よく食べ、よく寝て、ふくふく楽しい一年にしたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)